2026 年 6 月 5 日、財政省税務局は、労働者派遣(労働者の再貸与)活動に適用される税務政策に関し、フート省税務局(公文書第 2025/PTH-QLDN5 号および第 2931/PTH-QLDN1 号)への回答として、公文書第 3705/CT-CS 号を発行しました。
重要ポイント:「電子部品の製造」は、労働者派遣が認められる業務一覧の対象外であると判断されています。そのため、関係企業においては、仕入 VAT の控除・還付や、法人所得税(CIT)上の費用の損金算入について、税務上のリスクが生じる可能性があります。
1. 労働者派遣に関する法的枠組み
- 2019 年 11 月 20 日付労働法第 45/2019/QH14 号第 52 条および第 53 条によると、労働者派遣は条件付き事業分野であり、労働者派遣許可証を有する企業のみが、所定の業務に限り実施することができます。
- 2020 年 12 月 14 日付政府政令第 145/2020/ND-CP 号は、労働者派遣企業、派遣労働者受入企業および許可証の取消しについて詳細に規定しています。
- 政令第 145/2020/ND-CP 号に付属する附属書 II では、労働者派遣が認められる業務を 20 業務のみに限定しており、その中には「テレビ・通信機器の製造および設置」が含まれます。
2. 「電子部品の製造」は対象リストに含まれない
- 問題は、許可対象リストに記載された業務と企業の実際の活動との区別から生じます。
- ベトナム標準産業分類(2018 年 7 月 6 日付首相決定第 27/2018/QD-TTg 号に付属する附属書 I および II)と照合すると、以下のとおりです:
- 「電子部品製造」:産業分類レベル 3 コード 261。
- 「通信機器製造」:産業分類レベル 3 コード 263。
- この 2 つの活動は同じ産業分類レベル 2 に属しますが、異なる産業分類レベル 3 に分類されます。
- 回答に先立ち、税務局は専門所管機関に照会しました(2026 年 3 月 17 日付公文書第 1543/CT-CS 号)。その照会結果は、以下のとおりです。
- 内務省賃金・社会保険局は、2026 年 3 月 31 日付公文書第 515/CTL&BHXH-CSLD 号において、電子部品の製造は含まれていないこと、すなわち政令第 145/2020/ND-CP 号に基づき労働者派遣が認められる業務一覧の対象外であることを確認しました。
- 科学技術省は、2026 年 4 月 2 日付公文書第 1990/BKHCN-KHTC 号において、20 業務の一覧に「電子部品の製造」が含まれていないことを確認しました。したがって、この活動が許可された労働者派遣の範囲に該当すると判断する十分な根拠はないとしています。
3. 税務およびインボイスの取扱い
上記 2 機関の見解に基づき、税務局はフート省税務局に対し、以下の対応を求めました:
- インボイスについて:各期間に適用される法令、契約および実際の証憑に基づき、納税者に適切な処理方法を案内すること。
- VAT および CIT について:科学技術省および内務省賃金・社会保険局の見解と併せて、各期間に適用される法令、契約および実際の証憑に基づき、以下を行うこと:
- 企業が仕入 VAT の控除・還付の要件を満たしているかを評価すること。
- 規定に従い、CIT 上の損金算入可能費用および損金不算入費用を判定すること。
- 税務局はさらに以下の点を指摘しています:
- 関連費用が専門分野の法令に違反する場合、CIT 課税所得の算定において損金算入可能な費用として認められません。
- 仕入 VAT の申告および控除は、VAT 法および現行の施行ガイダンスに定める条件および原則に従う必要があります。
4. 公文書第 3705/CT-CS 号は回答の共通根拠として使用
公文書第 3705/CT-CS 号に示された見解は、税務局が企業コミュニティに回答する際の共通の根拠として使用されています。例えば、2026 年 8 月 25 日付公文書第 6304/CT-QLNT 号によるベトナム外国投資企業協会への回答、および 2026 年 7 月 24 日付公文書第 5200/CT-CS 号による在ベトナム韓国商工会議所(KoCham)への回答でも、同様の考え方が示されています。これは、労働者派遣活動に対する税務当局の一貫した見解を示すものであり、特に電子機器製造分野の FDI 企業にとって留意すべき点です。
💡 企業への推奨事項
- 労働者派遣企業および派遣労働者受入企業(特に電子部品製造分野)は、既存の契約を見直し、実際に従事している業務が政令第 145/2020/ND-CP 号附属書 II に定める許可対象 20 業務の一覧に該当するかを確認する必要があります。
- 税務リスクを再評価する:許可対象リスト外の労働者派遣に係る費用は、CIT 上の損金算入対象から除外され、仕入 VAT の控除・還付が認められない可能性があります。
- 契約関係の再構築を検討し(例えば、取引の実態に合致するサービス契約または加工契約へ変更する)、過年度について完全な証憑を整備する。
- 問題が生じた場合には、税務調査または検査を待つのではなく、所管税務当局と事前に協議する。
本ニュースレターは、Crowe Vietnam が一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別の事案に対する専門的な助言を構成するものではありません。企業は、本内容を実際の状況に適用する前に、原文の法令を確認し、専門家に相談する必要があります。




