労働契約終了後に支払われる給与:個人所得税(PIT)は10%源泉徴収か、累進税率表の適用か?

労働契約終了後に支払われる給与:個人所得税(PIT)は10%源泉徴収か、累進税率表の適用か?

17/08/2026

従業員の労働契約が6月30日に終了し、企業が6月分の未払給与を7月に支給する場合、その支給額には引き続き累進税率表に基づく源泉徴収を適用するのでしょうか。それとも10%の源泉徴収が必要となるのでしょうか。

2026年8月3日付公文書第10049/NBI-QLDN1号において、ニンビン省税務当局は、10%の源泉徴収率を適用することを明確にしています。また、同公文書では、実務上誤りが生じやすい2つの論点、すなわち源泉徴収の対象となる所得額、および従業員が一時的な源泉徴収免除のための誓約書を提出できる場合についても明確化しています。

1. 法的根拠

非課税所得:2026年6月30日付政令第253/2026/ND-CP号第26条第1項および第3項:

  • 職場で行われる深夜勤務および時間外勤務に対する給与は、労働法令に定める条件および労働時間に関する要件を満たす場合、個人所得税(PIT)が非課税となります(第1項)。
  • 深夜勤務手当、時間外勤務手当、または未消化の年次有給休暇に対する支給額のうち、法定上限を超える部分は、個人の課税所得に含まれます(第3項)。

10%源泉徴収:政令第253/2026/ND-CP号第50条第2項:

  • 労働契約を締結していない居住者である個人、または契約期間が3か月未満の労働契約に基づく居住者である個人に対して、給与、賃金、報酬その他の金額を支払う組織および個人は、労働契約終了後に支払われる給与その他の所得を含め、1回当たり500万ベトナムドン以上の支払について、支払前に10%を源泉徴収し、当該源泉徴収税額を納付しなければなりません。
  • 1回当たり500万ベトナムドン未満の支払については、個人から要請がある場合に限り、10%の源泉徴収を行います。

2. 労働契約終了後に支払われる給与の源泉徴収方法

ニンビン省税務当局によると、居住者である従業員が2026年6月30日に労働契約を終了し、会社が2026年7月10日に2026年6月分の給与を支払う場合、当該支給は、政令第253/2026/ND-CP号第50条第2項に定める「労働契約終了後に従業員へ支払われる給与」に該当します。したがって、以下のとおり取り扱われます。

  • 個人ごと、かつ1回の支払ごとに500万ベトナムドン以上である場合、会社は所得を支払う前に10%の個人所得税(PIT)を源泉徴収しなければなりません。
  • 1回の支払額が500万ベトナムドン未満である場合、会社は個人から要請がある場合に限り10%を源泉徴収します。

つまり、労働契約終了後に給与を支払う場合、従業員が以前は長期の労働契約に基づき勤務していたとしても、企業は累進税率表ではなく10%の源泉徴収率を適用します。

3. 10%源泉徴収の対象となる所得額

会社は、個人に支払う前に、課税対象となる給与・賃金所得に対して10%を源泉徴収しなければなりません。具体的には以下のとおりです。

源泉徴収の対象額から除外される所得:法令上非課税とされる所得が対象となり、深夜勤務手当、時間外勤務手当、および未消化の年次有給休暇に対する支給額が含まれます。ただし、労働法令に定める適用条件、労働時間および法定上限を満たすことが必要です。法定上限を超える部分は課税所得に含めなければなりません(政令第253/2026/ND-CP号第26条第3項)。

10%源泉徴収時には控除を適用しない:強制保険料、基礎控除・扶養控除その他の控除は差し引きません。これらの控除は、累進税率表に基づく課税所得の算定または税務確定申告の際にのみ使用され、政令第253/2026/ND-CP号第50条第2項に基づく暫定的な10%源泉徴収には適用されません。

これは実務上よく見られる誤りです。多くの事業体では、10%の税率を適用する前に基礎控除・扶養控除を差し引いてしまい、その結果、個人所得税の源泉徴収額が不足するケースがあります。

4. 一時的な源泉徴収免除に係る誓約書

個人が誓約書を提出できるのは、以下の2つの条件をいずれも満たす場合に限られます。

  1. 当該個人が10%源泉徴収の対象であること。
  2. 基礎控除・扶養控除を差し引いた後の年間課税所得見込額が、個人所得税の納税義務が発生する基準額を下回ること。

有効な誓約書に基づき、会社は一時的に税金の源泉徴収を行わないことができます。この場合、会社は規定に従い、対象となる個人およびその所得の一覧を作成しなければなりません。

その後、当該個人が事業活動、給与・賃金その他の収入源から追加所得を得たことにより納付すべき税額が発生した場合、当該個人は自ら申告、税務確定申告および納税を行うとともに、誓約書の内容の正確性について責任を負います。虚偽の申告については、法令に従って処理されます。

💡 企業への推奨事項

  1. 労働契約終了後に行われるすべての支払(最終給与、未払賞与、未払手当)を確認し、通常の給与計算とは分けて処理することで、正しい10%の源泉徴収率を適用してください。
  2. 源泉徴収の対象額を再確認してください。非課税所得は除外する一方、10%の税率を適用する前に強制保険料または基礎控除・扶養控除を差し引かないようにしてください。
  3. 月内のすべての支払を合算するのではなく、各支払を個別に確認してください。500万ベトナムドンの基準額は、各個人に対する1回ごとの支払に適用されます。
  4. 深夜勤務手当、時間外勤務手当および未消化の年次有給休暇に対する支給額について、労働法令に定める条件、労働時間および法定上限と照合し、課税所得に含める必要がある超過部分を正確に特定してください。

 

本ニュースレターは、Crowe Vietnamが一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別具体的な状況に応じた専門的助言に代わるものではありません。企業は、実際の状況に本情報を適用する前に、原文の法令を確認し、専門家の助言を受けることを推奨します。

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